AIとは何かを分かり易くまとめてみた
こんにちはー。管理人のピヨ猫でーす。
1.AI(人工知能)の定義
AIの語源
AIはArtificial Intelligenceの頭文字をとったもので、日本語に訳すと人工知能となり、推論、認識、判断など人間と同じ知的な処理能力を持つ機械(情報処理システム)のことを指します。 1956年のダートマス会議にてジョン・マッカーシーにより命名されました。
注) 詳しくは後述しますが、人工知能という言葉は定義が曖昧です。
AIの歴史
AIの歴史は古く、コンピューター誕生から数年でAIという概念が生まれています。その後、コンピューターの発展と共に数回のブームがあり、現在は第3次AIブームと言われています。
【AIの歴史】
年代 | イベント |
---|---|
1940年 | ノイマン型コンピューター誕生 |
1946年 | AI誕生 |
1950年 | 第一次AIブーム |
1980年 | 第二次AIブーム |
2010年 | 第三次AIブーム |
2012年 | DL(ディープラーニング)誕生 |
第三次AIブーム
第三次AIブームの火付け役になった出来事は
- 2011年にIBM社のWatsonがアメリカの人気クイズ番組(Jeopardy!)で優勝したこと、
- 2012年に画像認識の世界大会ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)でヒントン教授らのグループがニューラルネットを用いたSupervisionという手法で、1年前の優勝記録の誤り率25.7%から15.3%へと4割も削減し圧勝したこと、
- 2015年にDeepMind社(現Google DeepMind社)によって開発されたAlphaGoが囲碁の世界チャンピオンに勝利したこと、
などが挙げられ、AIが人に勝る能力を有することを世に知らしめ、大きな話題を生みました。
第一次、第二次AIブームは、コンピューターの性能などの問題で下火になってしまいましたが、昨今はコンピューターの性能、インターネットの発達、ビッグデータなどが助けとなりAIが大きな成果を生み、今後も発展していくことが見込まれています。
AI(人工知能)の定義
AI(人工知能)の定義
AI(人工知能)は推論、認識、判断など人間と同じ知的な処理能力を持つ機械(情報処理システム)のことを指します。
なお、AI(人工知能)の定義はAIに携わらない一般の方のみならず、AIを専門で扱う研究者の中でも定義が一様ではありません。その原因は、「知能」そのものが良く分かっていない曖昧なもののためです。なので、人工知能も何処までが知能でどこからはプログラムなのかが明確ではありません。 また、仕組みが分かったものを人は知能とみなさない傾向にあることも人工知能の定義を曖昧にしている原因の一つになります。
昨今、深層機械学習(ディープラーニング)が画像認識などの分野で大きな成果を上げておりますが、ITの現場でもディープラーニングをAIと呼ぶ人と、あれはAIでは無いという人に分かれたりします。
なお、本ブログでは深層機械学習(ディープラーニング)も後述の特化型の弱いAIという解釈をして、AIとして取り扱います。
AI(人工知能)とロボットの違い
AI(人工知能)はロボットの脳にあたります。
- ロボット = 体と知能を持った機械
- AI(人工知能) = 知能を持った機械
であり、AI(人工知能)は必ずしも体を持つ必要がありません。
AIの種類(特化型AIと汎化型AI、弱いAIと強いAI)
AIは特化型AIと汎化型AIに分けられます。また、弱いAIと強いAIに分けられます。
- 特化型AI ・・・ 一つのことに特化したAI。例えば画像認識AI、音声認識AIなど
- 汎化型AI ・・・ 学習して何でも出来るようになるAI。
- 弱いAI ・・・ 感情の無いAI
- 強いAI・・・ 感情の有るAI
現在、実用化や研究が進んでいるAIは特化型の弱いAIです。
つまり現在AIと呼ばれれるものに感情はありませんし、何でも出来るというものでもありません。
2.AIは何が出来るのか?何が優れているのか?
AIだから出来ること(従来のプログラムとAIの違い)
AIは従来のソフトウェアと異なり、自らルールを学習でき、また、曖昧なことに対して判断が出来ます。
今までのソフトウェアは予め人がプログラムをしてルールを教えてあげる必要がありました。また、決められたルールに従い判断することは出来ましたが、ルールに合わないものがあった場合に判断することができませんでした。
例えば写真の画像に花が写っているかを見分けるソフトウェアを作るとします。今までは、事細かに花の特徴を人がプログラミングする必要がありました。また、プログラミングした条件に合わない画像の場合、見分けることができませんでした。しかし、AIの場合は、人がプログラミングしなくても、AIが大量の花の画像から自ら花の特徴を見つけることが出来ます。また、学習していない写真でも柔軟に判断することが出来ます。専門的に言うと、AIとは「コンピューターがデータから暗黙値をプログラミングすることが出来るもの」となります。
AIの得意分野
AIの得意分野は、画像認識、音声認識、翻訳、性格判断、株価予測など、大量のデータを処理する必要があり、かつ結果が多少曖昧でも良い分野になります。
例えば画像認識のようにパターンが無数にあるものを判断しようとすると従来型のプログラミングでは無限にあるパターンをプログラムすることは現実的ではなく物理的に出来ませんでした。
そこで、自ら学習してくれて、学習していないパターンも柔軟に対応してくれるAIの出番になるわけです。
しかし、逆に言うとAIが自ら判断した場合は人と同じで間違いが起きる場合もあります。絶対の精度を求める分野ではAIではなく従来のプログラミング型のソフトウェアを用いる必要があります。
AIの精度
AIの精度で示す有名な話は先に述べたAlphaGoがあります。
AlphaGoは2015年に囲碁の世界チャンピオンに勝利しましたが、実は当時、囲碁でAIが人に勝つのもっと先になるだろうと思われていました。
何故なら、囲碁はボードゲームの中で最も難しいと言われており、そのパターンは10の360乗という天文学的な数字となり、機械でも計算できるような量ではないためです。
しかし、2015年にディープラーニングという技術を用いて作られたAIが囲碁の世界チャンピオンを2勝1敗で勝利し、人間の処理能力をAIが上回ることを示しました。
また、AIを用いた画像認識の精度は現在95%以上となっており、人の認識精度と遜色が無くなっています。
3.AIは人の仕事を奪うのか
マイケル・A・オズボーンの論文 ~未来の雇用~
最近はAIが人の仕事を奪うという話がちらほら聞かれるようになりました。きっかけはオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーンの論文~未来の雇用~の発表にあり、この論文でコンピューターの技術革新で10年後には既存の職業が無くなるものがある可能性が高いと発表されたことが一因にあります。
無くなる確率が高い仕事の例 |
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銀行の融資担当者 |
スポーツの審判 |
不動産ブローカー |
レストランの案内係 |
保険の審査担当者 |
動物のブリーダー |
電話オペレータ |
給与・福利厚生担当者 |
レジ係 |
ネイリスト |
電話販売員 |
出典)オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン論文 ~未来の雇用~
https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf
10年後に無くなる可能性がある仕事の一覧
オズボーン論文の抜粋
オズボーンの論文の最後に一覧形式で掲載されているので、興味がある方は論文を読むのが良いかと思いますが、以下の記事に日本語で分かり易く紹介されていましたのでリンクを載せておきます。
robo-school.net
10年後に本当に人の仕事は無くなるのか?
オズボーンの予想の通り本当に10年後には仕事の内容が様変わりするのかもしれませんが、IT現場に携わる身としての肌感としては殆どの職業は10年では無くならないと思います。
AIによる自動化が少しずつ進みつつあるのは事実ですが、10年でなくなると思えるスピード感では無いことと、自動化している範囲が職業全体ではなく、部分的なタスクに留まっているためです。
以下の記事が参考になると思いますのでリンクを掲載しておきます。
www.itmedia.co.jp
4.AIは人の仕事を奪うのではなく人の世の中をより良くするもの
食品メーカー キューピーの事例
日本が誇る食品メーカーのキューピーは何と原料の検査をAIで自動化しました。
www.businessinsider.jp
しかし、キューピーは従業員を減らすために実施したのではなく、従業員の働き方を改革するために実施していると強調しており、従業員を減らしたという話はありません。
AIは人の仕事を奪うのではなく人の世の中をより良くするもの
キューピーの事例の様に、AIは人の仕事を奪うのではなく人の世の中をより良くするものであって欲しいと思います。
産業革命で人間の仕事を機械が代替する様になりましたが、結果、今の世の中は機械がなければ成り立たず、逆に機械が無くなって欲しいと思っている人は少ないと思います。機械があるから仕事が無いということも少ないと思います。
AIについても同様で、AIが人の仕事を奪うというより、人がやらなくても良い仕事をAIがしてくれる様になり、人はより生産性のある仕事や趣味に時間を当てられる様になり、より生活が豊かになる(はず)と考えた方が良いと思います。
それでは、少しでもこの記事がお役にたったら嬉しいです。